矯正中に食べられないものはある？理由や対策を解説

2.ワイヤー矯正中に注意したい「壊れやすい食べもの」

ワイヤー矯正や裏側矯正では、歯の表面にブラケットという小さな装置を固定し、その間にワイヤーを通して歯を動かしていきます。
そのため、食べ物による強い引っ張り・粘着・衝撃の影響を受けやすく、普段の食事が装置の破損につながることがあります。
ブラケットやワイヤーが外れたり曲がってしまうと、予定通りに歯が動かなくなる場合があり、治療期間の延長や再調整が必要になることもあります。
そのため、特に負担のかかりやすい食べ物は、矯正中は食べ方に注意する必要があります。

①　特に負担がかかりやすい食べ物

・お餅や団子などは強い粘りがあるため、噛むたびにブラケットを引っ張り上げてしまうことがあります。
・チューイングガムは長時間噛み続けることで装置に絡まり、ワイヤーが引っ張られやすくなります。
・キャラメルは歯全体にまとわりつくため、ブラケットが外れたりワイヤーが曲がる原因となる代表的な食品です。
・水飴・ヌガー など粘着性の強いものは粘度が高い甘い食品は、装置に付着しやすく、外れやすさに加えて清掃面でも負担になります。

②　食べる際の工夫で負担を軽減

これらの食品を完全に避ける必要はありませんが、以下のような工夫をすると装置への負担を大きく減らすことができます。

・一口サイズに小さく切ることで、かじりつかず、奥歯でゆっくり噛むと負担が軽減されます。
・硬さの調整ができるものは柔らかくするなど、温めて柔らかくする、スープに浸すなどの工夫が有効です。
・噛む回数を減らすような食べ方を意識することで粘着性食品は、少量のみ・ゆっくり噛むことで装置の負荷を減らせます。

ワイヤー矯正中の食事は、「噛んだときに装置にどんな力が加わるか」 を意識すると、トラブルを避けながら安心して矯正を進めることができます。

3. 矯正中に注意が必要な食べ物

歯が動く過程で一時的に隙間ができたり、装置に食べ物が絡まることがあります。
ワイヤー矯正中は特に清掃しやすさを考慮する必要があります。

①装置に絡まりやすい食べもの

ワイヤー矯正や裏側矯正など、取り外しのできない矯正装置を使用している場合、食べものが装置に絡まりやすいという特徴があります。
特に、エノキなどのキノコ類、ニラ・もやし・ネギといった繊維質の野菜、グレープフルーツのような繊維質の果物は装置に引っかかりやすく、不快感につながることがあります。さらに、筋の多い肉や骨付き肉、細い麺類、スルメイカやエビ・貝類なども絡まりやすいため、矯正中は注意が必要です。
これらの食材は、繊維が長い・固い・弾力があるという特徴から、装置やワイヤーに残りやすい傾向があります。

➁歯の隙間に詰まりやすい食べもの

矯正中は歯が動く過程で一時的に歯と歯の間にすき間ができることがあり、普段は気にならない食べものでも詰まりやすくなることがあります。
代表的なものとして、お米やパン、パスタやうどんなどの麺類、クッキーやビスケット、ポテトチップス、葉物の野菜などが挙げられます。
これらは粒が細かかったり、砕けやすかったりするため、すき間に入り込みやすい傾向があります。食べものが詰まると気になるだけでなく、汚れが残ることでむし歯や歯周病のリスクにつながることもあるため、食後は丁寧な清掃を心がけることが大切です。

➂痛みがあるとき避けたい食べもの

矯正中は歯が動いている影響で、一時的に噛む力が入りにくくなり、歯応えのある食べものや固い食材が食べにくく感じることがあります。
特に、お煎餅やスルメイカ・エイヒレなどの乾物、リンゴの丸かじり、フランスパンなどのハード系のパン、固いアイス、生のきゅうりなどの硬い野菜は、噛むと痛みが出やすかったり、装置に強い力がかかったりしやすい食品です。
痛みがある時期はこれらの食品を無理に噛むのではなく、柔らかい料理に切り替えたり、細かくカットしたりして負担を軽減すると過ごしやすくなるでしょう。

➃装置に着色しやすい食べ物

色の濃い食べものや飲みものは、矯正装置に着色が残りやすいため注意が必要です。
赤ワインやカレー、コーヒー・紅茶、トマトソース、キムチやコチュジャン、ブルーベリーなどのベリー類は着色しやすい代表的な食品です。
装置の素材によって色の付きやすさは異なりますが、一度付いた着色は歯みがきでは落としにくいことがあります。

ワイヤー矯正や裏側矯正では、ブラケットやワイヤーなどのパーツに色素が沈着しやすく、見た目が気になる場合があります。特に交換前の装置は色が残りやすいため、濃い色の食べものを口にするタイミングを工夫することで、着色を抑えやすくなります。
一方、マウスピース矯正（インビザラインなど）の場合は、食事の際に装置を外すため、大きな食事制限はありません。ただし、食後に口の中に残った色素がマウスピースに付着することがあるため、装着前に歯みがきをすることが理想です。外出先で歯みがきが難しい場合でも、軽くうがいをしておくだけで着色予防につながります。

4. 食事制限が少ない矯正方法とは？マウスピース矯正という選択肢

矯正中でもこれまでと変わらない食事を楽しみたい方や、装置に食べ物が絡むストレスを減らしたい方には、マウスピース矯正（アライナー矯正）が選択肢として挙がる場合があります。マウスピース矯正は、食事の際に装置を取り外せるため、固いものや繊維質の食べ物でも普段と同じように食べやすいという特徴があります。また、ワイヤー矯正のように装置に食べ物が引っかかる心配がないため、清掃もしやすく、矯正中の食事面での負担が比較的少ない方法といえます。ただし、マウスピース矯正が適応できるかどうかは歯並びや噛み合わせの状態によって異なるため、まずは歯科医師による診査が必要です。

5. まとめ

矯正中に「食べられないもの」が厳密に決められているわけではありませんが、使用している矯正装置によって注意すべき点は異なります。ワイヤー矯正では粘着性のある食品が装置に負担をかけやすく、繊維質や細長い食材は絡まりやすい傾向があります。また、歯が動いて痛みが生じている時期は、固い食べものを控えることで負担を減らせます。さらに、着色しやすい食べもの・飲みものは、装置の種類によって対策が必要になります。

一方で、食事のしやすさを重視したい場合は、装置を外して食事ができるマウスピース矯正が選択肢に入ることもあります。矯正中の食生活をできるだけ快適にしたい方にとって、治療方法の違いを理解しておくことは大切です。

大岡山で矯正治療を検討している方は、ご自身のライフスタイルに合った矯正方法を選ぶことで、治療期間をより快適に過ごしやすくなります。