1. 八重歯とは?その原因とリスク
2. マウスピース矯正による八重歯治療の流れと治療期間
3. マウスピース矯正での八重歯治療のメリットと注意点・リスク
八重歯は、特に日本では「チャームポイント」として捉えられることもありますが、実際には口腔内に悪影響を及ぼす可能性があるため、放置するリスクもあります。
最近では、目立ちにくく取り外し可能なマウスピース矯正によって、八重歯を治療する選択肢も広がっています。今回は、八重歯とは何か、その治療方法としてのマウスピース矯正について詳しく解説します。
1. 八重歯とは?その原因とリスク
八重歯は、通常犬歯が正しい位置に生えずに歯列の外に突出している状態を指します。八重歯は一見可愛らしいと思われることもありますが、歯列不正の一つであり、正しい位置に歯が並んでいないことでさまざまなリスクが生じます。
八重歯の原因
八重歯の主な原因としては、以下のような要因が挙げられます。
①顎の成長不足
現代では、柔らかい食べ物が中心になり、噛む回数が減少したことで、顎の発達が十分でないことが多く、歯が正しく並ぶためのスペースが不足することがあります。
②乳歯が抜けるタイミング
乳歯が早く抜けすぎる、または遅すぎる場合、永久歯が正しい位置に生えるスペースが確保できないことがあります。
③遺伝的要因
歯並びや顎の形は遺伝の影響も受けるため、親が八重歯の場合、子供も八重歯になる可能性があります。
八重歯を放置するリスク
八重歯を放置することには以下のようなリスクがあります。
①むし歯・歯周病のリスク増加
八重歯は他の歯と密着していたり、他の歯より突出してたりしているため、歯磨きがしにくく、食べかすやプラークが溜まりやすくなります。その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
②噛み合わせの悪化
八重歯があると、正しい噛み合わせができないことがあり、食事の際に食べ物をうまく噛み砕けない、顎に負担がかかるなどの問題が発生します。
③発音の不具合
歯並びが乱れていると、発音が不明瞭になることがあり、特に「サ行」や「タ行」の発音が難しくなる場合があります。
2. マウスピース矯正による八重歯治療の流れと治療期間
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを使って少しずつ歯を動かしていく治療法です。八重歯を矯正治療する場合も、マウスピース矯正を多くの患者さまが選択されています。
マウスピース矯正による八重歯の治療の流れ
①カウンセリングと診断
初めに歯科医院でカウンセリングを行い、八重歯の状態を確認します。八重歯は、他の歯よりも外に飛び出していることが多いため、歯列全体や顎の骨のバランスが重要です。3Dスキャナーやレントゲンを使い、八重歯の位置や噛み合わせを含む全体の状態を詳細に診断します。八重歯の治療では、通常のすきっ歯や並びの不整と比べ、歯列全体を調整する必要があるため、治療計画は非常に慎重に立てられます。
②マウスピースの作成
診断結果に基づき、患者さま一人ひとりに合ったマウスピースが作成されます。
数週間ごとに新しいマウスピースに交換し、少しずつ八重歯を正しい位置に導きます。
③マウスピース矯正の実施
マウスピースは、通常1日20時間以上装着する必要があり、食事や歯磨きの際にのみ取り外すことができます。八重歯の場合、他の歯と比べて移動させる量が多いため、治療の進行には慎重な管理が求められます。特に、八重歯が前に大きく飛び出している場合、その移動は時間がかかることもあります。治療中は定期的に歯科医院で進行状況をチェックし、歯科医師の指示のもと、マウスピースを装着しましょう。
④治療終了とリテーナー(保定装置)の装着
八重歯が理想の位置に移動したら、治療は終了に向かいますが、リテーナー(保定装置)の装着が非常に重要です。八重歯は、元の飛び出た位置に戻りやすい傾向があるため、リテーナーを使って長期間安定させる必要があります。リテーナーの装着によって、矯正後の歯列が固定され、元の八重歯の状態に戻らないように保ちます。
マウスピース矯正による八重歯の治療期間
マウスピース矯正による八重歯治療の期間は、八重歯の状態や歯列全体の状況によって異なりますが、平均的には1年から最長で5年程度です。軽度の八重歯であれば、治療期間が短くなることもありますが、重度の歯並びの場合には治療期間が長くなる場合もあります。
3. マウスピース矯正での八重歯治療のメリットと注意点・リスク
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較して目立ちにくいため、特に大人の患者さまに多く選ばれる治療方法です。しかし、メリットがある一方で、リスクや注意点も存在します。
マウスピース矯正のメリット
①目立ちにくい
八重歯は、他の歯より前に突出しているため、見た目の印象を大きく左右します。マウスピース矯正は透明な素材で作られているため、装着していても目立ちにくい点が大きな特徴です。八重歯を目立たずに治療できる点は、特に大人の患者さまにとって大きなメリットです。日常生活や仕事でも矯正を気にせずに過ごせるため、他人に気づかれることなく八重歯を改善できます。
②取り外しが可能
八重歯の場合、周囲の歯と重なっていることが多く、食べ物が挟まりやすいため、口腔内を清潔に保つことが難しいことがあります。マウスピース矯正は、食事や歯磨きの際に取り外すことができるため、口腔内をきれいに保つことが容易です。食事制限も少なく、通常の食事を楽しむことができるのは、マウスピース矯正の大きな利点です。
③痛みが少ない
ワイヤー矯正と比較して、マウスピース矯正は痛みが少ない傾向にあります。八重歯は歯が大きく移動するため、強い力がかかることがありますが、マウスピースでは段階的に力をかけることで、痛みや違和感が軽減されます。特に、ワイヤーやブラケットのような金属がないため、口腔内が傷つくリスクが少なく、快適に治療を進められます。
マウスピース矯正のリスクと注意点
①装着時間を守る必要がある
マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が推奨されており、装着時間が短いと治療が遅れてしまいます。特に八重歯の場合、歯の移動が複雑なため、装着時間を守ることが治療成功の鍵となります。
②複雑な八重歯には適応できない場合がある
八重歯の状態が複雑である場合、マウスピース矯正では効果が十分に得られないことがあります。歯が大きく外側に飛び出している場合や、重なりが著しい場合、ワイヤー矯正が推奨されることがあります。マウスピース矯正が適応できるかどうかは、八重歯の状態や噛み合わせにより、歯科医師と相談しながら治療法を決める必要があります。
マウスピース矯正は、八重歯の治療において非常に効果的な選択肢の一つです。八重歯を放置しておくと、むし歯や歯周病、噛み合わせの問題が発生するリスクがあるため、早めの治療が推奨されます。
治療の流れや期間については、個人の歯並びの状態によって異なるため、まずは歯科医師に相談してみましょう。
目黒区・大岡山の歯医者 セレナデンタルオフィスは、患者さま一人ひとりの1時間の診療時間を確保し、院長が「自分が受けたい、自分の家族に受けさせたい」と思う診療を行っています。目黒区・大岡山で矯正治療をお考えの方はぜひご相談ください。