某CMでオーラルヘルスという言葉が使われているのを見ました。
つまり、口の中の環境を健康に保ちましょうということですね。
口内環境が悪化すると様々な弊害につながりますが、その影響は口の中だけに留まりません。
今回は、この口内環境、オーラルヘルスについて取り上げたいと思います。
口内細菌について
毎食後に歯磨きをするなどどんなに口内を綺麗にしても、細菌はたくさん残り、なくなることはありません。
しかも口の中は、細菌の数(種類)が体全体で一番多い場所なのです。
産まれたばかりの赤ちゃんの口の中は、ほぼ細菌がない状態です。
しかし、その後は母親やその他の人々、あるいは食物などからどんどん細菌が取り込まれていきます。
せっかく無菌状態で産まれてきたのに、ちょっと残念な気もしますね。(笑)
でもご安心ください。
この細菌は悪いものばかりではなく、良い細菌、必要な細菌もたくさんあるのです。
よく「善玉菌」や「悪玉菌」と言われるものですね。さらには、そのどちらの菌にもなりうる「日和見菌」というのもあります。
この口内の細菌の環境を、「口内フローラ」とも呼びます。
口内フローラのバランス、つまり善玉菌と悪玉菌のバランスを良い環境に保つことが出来れば、歯や歯茎の健康につながります。
ただし、理想と言われている善玉菌9:悪玉菌1のバランスが崩れて、悪玉菌が増殖していくと、口臭や歯周病など、様々な悪影響が出てくるのです。
悪玉菌が増える原因
口内に悪玉菌が増える原因も様々です。
ちょうど先日取り上げた、ウイルス対策で皆さんがしているマスクに関する記事。この記事で書いたように、口が開き口呼吸になると口内には悪玉菌が増殖します。
https://serena-dental.net/予防歯科/マスクの下で口は開いていませんか?/
また、歯磨きをしないと歯の間には食べかすが残りますが、これも悪玉菌が増える原因になります。食べ物が腐ったら臭いがしたり、虫が湧いたりしますよね?そう考えるとわかりやすいでしょうか。
その他、ちょっと書きにくいですが、キスの相手の口の中が汚いと悪いものを頂いてしまいます。(笑)
悪玉菌が増えるとどうなる?
口内フローラのバランスが崩れ、悪玉菌の割合が増えると、どのような弊害が出るのでしょうか?
真っ先に考えられるのは、歯周病です。
歯周病は進行してしまうと、顎の骨を溶かし歯を失うこともあります。
また、口臭の原因にもなります。
歯周病は何よりも予防することが大切です。
さらには、口内だけでなく、体の様々な部分にも影響が及ぶ可能性があります。
最近の研究では、口内環境の悪化が、アルツハイマー、脳梗塞、心筋梗塞、誤嚥性肺炎、心内膜炎、動脈硬化、低体重児出産、早産など、様々な疾病と関りがあるとされているという報告もあります。
食生活を含めた健康的な生活習慣を身につけ、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。
オーラルヘルスケアで健康に
口内環境のケアは、口内の健康だけに留まらず、体全体の健康維持のためにも重要だということがおわかりいただけたかと思います。
口内環境を整えるためには、歯科衛生士によるPMTCが有効になります。